待ち合わせ場所には、おたがいほぼ同時に到着した。
若干、私の方がはやく、ものすごく久しぶりだなーと辺りを見回していた。

出会った頃は、ほぼ毎週、私がここへ通ってデートしていた。待ち合わせ場所から自宅まで、高速使って1時間半の距離。およそ120キロ。
会いたくて、会いたくて。。。会える約束が出来ると、飼い主を待ってる犬みたいなもんで、尻尾ふりふり♪ご機嫌な気持ちで出かけていったっけ。

尻尾ふりふり♪そこは、今でも変わらないが、二人の中間地点あたりで待ち合わせるようになって、２年になるかな？私が瑞の最寄りの待ち合わせ場所に行くことは、ほとんどなくなっていた。

昨日は、会えたのも遅く、19時20分くらいで、どこで食べるか決まるのも少し時間かかり、テーブルへ案内されるのも時間かかり。。。
焼肉屋はさすがに平日だったので空いてるんだが、フロアー係が極端に少なく、回転がめっちゃ悪い。
怒って帰る客もいたりするほど。
結局、食べながらも私は、会いに来た主旨の話をどう始めるか考え、あまり食を楽しむ感じはなかった。
瑞は、今年のライブのことを話していたが、あまり真剣に聞いてなかったりして、生返事みたいになってしまっていた。

焼肉屋を出るとき、【お口直しにどーぞ】ともらったあめ玉。レジで精算している瑞の横で、金を瑞に渡して自分だけさっさとあめ玉を口に入れていたが、瑞はもらうのを忘れたらしい。

車に乗り込み、助手席から、
『あ！あめ玉もらうの忘れたよ！愼ひとりで何食べてるのかと思った⤵』と残念そうに話す。

かーわいいなぁ(*≧∀≦)
欲しいんだ。あめ玉。ﾌﾌﾌ(о´∀`о)

私は口の中にある、半分溶けて小さくなったあめ玉をあげると言った。
『それくれるの？』
かわいいー！！！なにこのやり取り！
信号が赤になって停車したとき、口移しであめ玉をあげた。どーってことない、些細なことだけれど、たまらなく幸せを感じる。

ただ、ちゅーしたかっただけ(*≧∀≦)(*≧∀≦*)

４年目の交際になるけど、ホントにいつまで経っても鮮度が落ちない。だから、デートの日の過ごし方はパターン化しているかもしれないけど、毎回違うんだよな。

はやく会いたいな。。。。

ふさわしい言葉っていうのが見つからないっていうのは、それほど想いが強く大きく純粋だから、それにみあった台詞があてはまらないから起きる現象なのかな？

全然格好つかないから、全然格好つけて語ろうとしてないんだけど、金魚の呼吸みたいにクチをパクパクしてるなんて、実にダサッ！！って感じ。

想像してみたらホントに恐ろしかった。

【自由が好き】な女は多いだろうけど、瑞は当時、縛られることが自分を支配されてるようで、奪われた感じが愛されてる気がして、縛ってほしいと言ってた。
私もその言葉を鵜呑みにしたわけではないけど、そういう価値観なら多少縛っても大丈夫かなと思った。

そもそも、私にとって好きな人との間に　【縛る】だなんて存在しなくて意味がわからないんだ。。。
でも、SNSを止めさせたことも、自分以外の誰かとネットで繋がってほしくないがためだけに止めさせるのは、誰から見ても【それが縛るっていうんだよ】と言われるのだろう。
好きな人にしてほしくないこと。
立場を変えて考えれば、されたくないことなんて人間誰も大きく変わらないだろ？
浮気してます！とあえて公言する人はいないのは、倫理的な問題として不貞行為は認められてないから秘密の話にしていたり、本心にはバレたら会えなくなると辛いからとか、そんなところで秘密にしている人が多いのだろう。
私は瑞に、私以外の誰かと、当然セックスしてほしくないし、私に話せない内容のやり取りをする異性との交流はしてほしくない。私に内緒の交流を持ってほしくない。
瑞もまったく同じだと言ってた。
これを【縛るというものだ】と言われてしまったら、よくわからないけど。。。
私が言ってることは、信頼関係を築くために必要な交際の条件だけだと思ってる。

表現の仕方の違いだけとも言われるのかな？
規制を作るということに替えれば同じか。。

なんの取り柄もない私が、大々的に瑞に様々な規制を突き付け、窮屈にさせてしまっていたら、もっと自由で気楽に恋愛したいな。。。という気持ちだって芽生えたかもしれない。
おまけに、私のウイークポイントは、
遠い。毎日会えない。戸籍は女。口うるさい。
身体も女。
もう、これだけでも【この人じゃなくても、他にもっとまともな人がいるよね！！】って気持ちになられても仕方ない。

そんな規制を突き付けることが、相手の気持ちを遠ざけるだけだと気づかずに、なんとも恐ろしいことをしたものだと感じた。

なにをしても、文句も言わずに、会ってるときは楽しくて、セックスがうまくて優しくて、頻繁に会えて沢山連絡くれて、いつも笑っていられて、怒ったり泣いたりしなくていい。そんな相手が現れたら、確実にもっていかれただろーよ。。。。⤵
自分の理想を求めているようで、実は逆効果な事とは、あの頃の私には気づかなかった。

そのことを気づいた私は、昨夜、自分に対する痛恨の極みとともに、それでも私に会いたいと言い続けてくれていた瑞をもう一度確認したくて、車飛ばして会いに行ったわけたけだが、表現したい言葉は、やっぱり規制をかけ、縛り、矯正することしか出てこない。

いや！そーじゃない！そーいうことを言ったら、こんなに後悔している想いと、二人で積算した様々なことを、また薄っぺらにしてしまうし、なんのためにわざわざ会いに行く必要があったの？？
となってしまうのだから、そーいう言葉じゃダメなんだよ！！

浮かばなかった。
ホントの気持ちを伝える言葉。

『俺が他の女にまったく興味ないって伝わってる？』
質問系に逃げた。
『今はあえて探そうとはしてないけど、いつどこで出会いがあるかもわからないから、アンテナにひっかかった人に出会ったら、わからないよね。。。。』

『その、アンテナが立ってない。携帯で言うなら契約してないって感じ』

瑞の事しか考えてない。
会いたくて一緒にいたくてどうしようもない。

言語障害が起きる瑞の前では、言葉で熱い想いを伝えることはできない。
ズルいかな。。。
抱き寄せて激しくチューして、深い愛情を注いだ。
どのくらいぶりだったかな？
この場所で、車の中でチューしたのは。
初めてしたのもこの場所で。

幸せなんだよな。
だって、浮気性の私をここまで一途に変えられるんだから、瑞はすごいな。
浮気性だったのは、理想の恋愛が出来なかったから、それを求めていたからであって、本来、浮気したくてさ迷った訳でもないかもしれない。

瑞がいれば、まともな恋愛をしようとするよ。
瑞とだけなら、ね。

【なに？何か言いたそう】
と、瑞に何度も聞かれ、あ、、やっぱりバレバレか。。言いたい事があること。という感じで、車内。

仕事や普段の時は、『相手に伝わる言葉選び』ってやつは得意な方で、次々といいものが浮かぶのに、瑞に出会ってから、瑞へ伝えようとする言葉がスラスラ〰っと。。。

全然、出てこない((T_T))ｶﾞｸｯ

はっ！！( ﾟдﾟ)ﾊｯ!閃いた！
と思っても、口が開くかどうかのタイミングで、
あ。。。。⤵そんな言葉じゃない、そーいうことじゃない。。。⤵と、また飲み込む。
こんなことを何回も何回も繰り返し。

途中まで言いかけて、次の言葉を探すと、もう、なんだか自分が痛々しくなって泣けてきちゃうし、ホントに瑞の前だとなんにも出てこない。

結局、ホントに言いたかったことは言わずに帰ってきた。

だって、またそんなこと言ったら、距離が広がってしまうんじゃないか。
昨夜の【こんな気持ちでしばらく会えないなんて無理だ！顔をみてちゃんと気持ち伝えなきゃ！】と思っての
【明日、会いに行くから！】
という言葉に替えて飛び出したのも、単なる勢いみたいになってしまった。

前回書いてる【他人のblogに傷つく２】で書いたように、出会ってまもなく初喧嘩した時のことを、振り返ればホントに恐ろしいことをしたものだなと痛感している今、もう縛るような言葉にしか聞こえないような台詞は言えなくなってる。

想ってるだけじゃ伝わらない。言葉にして伝えなきゃ！とは思う。無責任にならないように、今の想いは声にするべきとは思う。
けれど、『私は瑞をこんなふうに愛してますから、わからなくても感じて下さい』みたいなこと言ったら、一方的にぶつけられて、気持ちがついてこれないと感じられたりしたら、距離が広がる。
だったら、気持ちの温度差が極力ないように、自然体のままで、瑞が私と温度差や歩幅、距離というものを大差なく一定に保つほうが、言葉はなくても結果は出るだろうと。


こう思ってるようでは、言葉にしなきゃ伝わらないは、クリアしてないってことなんだけと。。。。、

続く