掲示板掲示板というけれど、出会い系サイトと同じものなのだろう。 愼とそこでやり取りを交わし、会う約束まで取り付けた。 これが出会い系というものだと気づいたのは、まだずっと後になってから。 愼とのなれそめ、はっきりいって出会い系。でも、それまで私の出会い系サイトに対するイメージは真っ黒に悪くて、まさか自分がやることになるとは思ってもいなかった。 そのうえ、そこで出会った人と会おうだなんて!! 何か見えない力が働いたのかも。 それでも、愼から届いたあのメッセージから、私の中の何かが変わったのははっきり言える。 会う約束の当日、 約束の時間は夕方だったけど、昼間からずっとやり取りは続けていた。 電車の乗り換えの方法や天気の話や、そんなやり取りのひとつひとつから、なんともいえないドキドキ感とほっこり感とこの人に聞けば大丈夫、というような安心感と。。。そんなものを感じていた。 そして、夕方。先に着いていた私。目を上げれば、ライトをつけた車が駅前ロータリーに止まったのが見えた。 ここから車の中に入るまで、無心。 悪いことも良いこともなんにも考えず、ただ体だけを動かして、車のドアをあけ助手席に座った。 「こんばんは」 「○○さん?」 それが最初の会話だった。 車に乗った時の安心感、安堵、体の緊張が解けていくような、シートに体が沈んでいくような、そんな風にゆっくり力が抜けていくあの感覚は生まれて初めて。 一瞬にして、愼の空気に包み込まれた。 なんだろ、このあたたかさは。。 愼の車の助手席に座った時から不思議な気持ちだった。